山の本 1「今西錦司全集」全10巻 2小島烏水「アルピニストの手記」3山本正嘉「登山と身体の科学」
今西錦司は明治35(1902)年京都府に生まれる。平成4(1992)年没、92歳。京都学派(京大人文研)のリーダーであり、後年は今西派・今西学派のリーダーとして、生態学から人類学に至る幅広い学術分野において多大な業績を残している。その足跡は「今西錦司全集」全10巻(1974-1975年刊)に記述されている。登山・探検記は第一、三、八、九巻にまとめられているが、なかでも第三巻に収録されている「ヒマラヤを語る」・「カラコルム」の記述は比類なくおもしろい。解題は桑原武夫。一読をお勧めしたい。
1955年の探検記「カラコルム」には多くのエピソードが詳述されている。そのなかで、『道がかわべりへおりた。まえに幅5メートルくらいの分流が流れている。どうやらわれわれもここで渡渉らしい。中略。靴も靴下も脱いで、彼らの後につづいた。おお、なんとつめたいことよ。半分くらいからさきは、足の痛みに歯を食いしばり、かろうじて渡った。中尾や原田は靴のままわたった。あのほうがかしこい。松下はおんぶで渡った。』、また、『 前略。服装も、今日はカッターにショート・パンツという軽装。ただし足だけは、ヒスパー、バルトロを踏破してきた、頑丈そのものの重山靴をはいている。』- 中尾は中尾佐助(1916-1993)原田は原田直彦。また、ヒマラヤで、ポーターがはいている靴のソールを見たらVibramソールだと驚く話もある。靴へのこだわりがうかがえて興味深い。ともかく登山や探検行の装備の中で最も重要なのが靴である。当時はどんな靴を履いていたのだろうか。日本製の革の重登山靴があったのだろうか。Zamberlanを履いていたのだろうか。
小島烏水(1873-1948)。1905年ウエストンの勧めにより日本山岳会を創立する。「アルピニストの手記」(1996年刊)の解説に水野勉は”日本近代登山の扇動者”というタイトルをつけている。 情緒あふれる一冊。
山本正嘉(1957− )「登山と身体の科学」(2024年刊)はサブタイトルに「運動生理学から見た合理的な登山術」とある。高齢者の一読をお勧めしたい一冊。この本のおかげで、多くの登山・トレッキングを愉しめている。疲労の原因、その解消法、かねてのトレーニング、その他登山を科学的に解説している。 「ゆっくり上ればつかれない」のに「ゆっくり上るのは難しい」とある。体験記に記したとおり、市房山登山(2019年)が思い出される。4合目から8合目手前までの高低差550mは35度を超すような急坂と木の根の難路で、標準タイムは2時間弱だが、私は3時間かけてもよかった。この本との出会いがあれば、もっと楽にのぼれたろうとおもう。”時間をかけたらどんな山も登れる”。もう一度仲間と市房山に”楽に”登りたい。この本は登山者のバイブルとなりうる。
1955年の探検記「カラコルム」には多くのエピソードが詳述されている。そのなかで、『道がかわべりへおりた。まえに幅5メートルくらいの分流が流れている。どうやらわれわれもここで渡渉らしい。中略。靴も靴下も脱いで、彼らの後につづいた。おお、なんとつめたいことよ。半分くらいからさきは、足の痛みに歯を食いしばり、かろうじて渡った。中尾や原田は靴のままわたった。あのほうがかしこい。松下はおんぶで渡った。』、また、『 前略。服装も、今日はカッターにショート・パンツという軽装。ただし足だけは、ヒスパー、バルトロを踏破してきた、頑丈そのものの重山靴をはいている。』- 中尾は中尾佐助(1916-1993)原田は原田直彦。また、ヒマラヤで、ポーターがはいている靴のソールを見たらVibramソールだと驚く話もある。靴へのこだわりがうかがえて興味深い。ともかく登山や探検行の装備の中で最も重要なのが靴である。当時はどんな靴を履いていたのだろうか。日本製の革の重登山靴があったのだろうか。Zamberlanを履いていたのだろうか。
小島烏水(1873-1948)。1905年ウエストンの勧めにより日本山岳会を創立する。「アルピニストの手記」(1996年刊)の解説に水野勉は”日本近代登山の扇動者”というタイトルをつけている。 情緒あふれる一冊。
山本正嘉(1957− )「登山と身体の科学」(2024年刊)はサブタイトルに「運動生理学から見た合理的な登山術」とある。高齢者の一読をお勧めしたい一冊。この本のおかげで、多くの登山・トレッキングを愉しめている。疲労の原因、その解消法、かねてのトレーニング、その他登山を科学的に解説している。 「ゆっくり上ればつかれない」のに「ゆっくり上るのは難しい」とある。体験記に記したとおり、市房山登山(2019年)が思い出される。4合目から8合目手前までの高低差550mは35度を超すような急坂と木の根の難路で、標準タイムは2時間弱だが、私は3時間かけてもよかった。この本との出会いがあれば、もっと楽にのぼれたろうとおもう。”時間をかけたらどんな山も登れる”。もう一度仲間と市房山に”楽に”登りたい。この本は登山者のバイブルとなりうる。